研究課題/領域番号 |
16K18887
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
牛久保 裕子 北里大学, 薬学部, 助教 (50386348)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 薬理学 / 網膜血管 / 糖尿病網膜症 / 血管生物学 |
研究実績の概要 |
糖尿病網膜症時に生じる病的な血管新生は、網膜内の虚血領域ではなく硝子体に向かって伸長する。本研究では、この異常な血管新生は生理的な血管新生時に働く方向調節機序の破綻により生じるとの仮説に基づき、網膜血管形成途上にある 4 日齢の新生仔マウスに対して低分子型 VEGFR チロシンキナーゼ阻害薬 (KRN633) を 2 日間連日投与した「網膜血管形成プログラム撹乱マウス」を作製し、薬物投与翌日 (6 日齢) から 14 日齢までの血管新生の様子を経時的に観察した。その結果、1) 6 日齢において既存の毛細血管が脱落した「退縮領域」と、血管がまだ形成されていない「未形成領域」が認められること、2) 6 日齢以降に生じた血管新生は、先ず退縮領域で旺盛となり、未形成領域への血管伸長は抑制されたことから正常な血管伸長方向とは異なることが示された。また、3) 12 日齢になると未形成領域へも新生血管が伸長し始め、14 日齢では正常に比べ血管密度の高い血管網で網膜全体が覆われることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成 28 年 8 月 24 日より産前産後の休暇及び育児休業の取得により研究が一時中断となったため。
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今後の研究の推進方策 |
育児休業終了後、速やかに研究活動を再開し平成 28 年度に実施予定であった研究計画の遂行に努める。平成 29 年度に予定していた研究計画は、補助事業期間延長の申請を行い平成 30 年度に実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成 28 年 8 月 24 日より産前産後の休暇及び育児休業の取得により研究が一時中断となったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成 29 年 9 月 1 日に研究再開予定であり、再開後は平成 28 年度に生じた次年度使用額を使用して研究活動を行う。平成 29 年度の助成金は平成 30 年度に請求し、平成 29 年度に行う予定であった実験計画を実施する。
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