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2017 年度 実績報告書

エピジェネティクスに注目したGABAB1a発現制御の病態的意義に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K18891
研究機関摂南大学

研究代表者

荒木 良太  摂南大学, 薬学部, 助教 (90710682)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードセロトニン / DNAメチル化 / Tph2 / 社会的敗北ストレス
研究実績の概要

本年度は、社会的敗北ストレス負荷によるセロトニン神経系の異常に関わるエピジェネティクス制御機構の解析を行った。
昨年度までに、10日間の社会的敗北ストレスを負荷されたマウスでは、背側縫線核においてGABAB1a mRNA発現量が減少していることを見出してきた。加えて本年度では、背側縫線核においてセロトニン神経系関連遺伝子の発現量についても解析を行った。その結果、社会的敗北ストレス負荷マウスでは、セロトニン合成酵素であるTph2のmRNA発現量が顕著に増加していることを見出した。Tph2の増加はタンパク質レベルでも確認できた。また、セロトニン神経系の機能面として、社会的敗北ストレス負荷マウスでは背側縫線核のセロトニン代謝回転が減少し、大脳皮質前頭前野のセロトニン代謝回転が増加していることを見出した。さらに、in vivo脳微小透析法による解析から、社会的敗北ストレス負荷マウスでは大脳皮質前頭前野の細胞外セロトニン量が増加していることも明らかにした。こうした結果から、社会的敗北ストレス負荷マウスでは、背側縫線核から大脳皮質前頭前野に投射するセロトニン神経系に異常が生じているものと考えられた。そこで、このセロトニン神経系の異常に関わるエピジェネティックな変動を明らかにするために、社会的敗北ストレス負荷マウスの背側縫線核において顕著な発現増加が見られたTph2遺伝子のDNAのメチル化レベルを、Methylated CpG island recovery assayにより解析した。その結果、Tph2遺伝子内にあるCpGアイランドの1つにおいて、DNAメチル化の減少が見られた。
本成果は、社会的敗北ストレスの負荷により背側縫線核においてTph2遺伝子のDNAメチル化が減少することで、セロトニン神経系の機能異常が生じる可能性を示すものである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 社会的敗北ストレス負荷マウスの行動異常とセロトニン神経系機能異常の相関性2018

    • 著者名/発表者名
      56.田中佑樹、田中絵理、平城陽介、吾郷由希夫、荒木良太、矢部武士
    • 学会等名
      日本薬学会第137年会

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公開日: 2018-12-17  

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