本研究課題は、麻黄の原植物であるマオウ属植物の新品種の育成及び品質評価法の開発を目的としている。新品種の育成では、E. sinicaとE. likiangensis の交配によって総アルカロイド含量の高い個体を、E. sinicaとE. chilensisの交配によってエフェドリン系アルカロイドを含有しない個体を作製した。これらの成果はマオウ属植物の初めての育種であり、含有成分をコントロールするための手段として交雑法が有効であることを示唆した。また、品質評価法の開発では、総アルカロイド含量と総タンニン含量の相関関係を見出し、アルカロイドを含まないマオウにも適応可能な新たな品質評価法を開発した。
|