本研究は、難治性自己免疫疾患の治療薬の開発を目指し、我々が創製したTNFR1指向性アンタゴニストTNF変異体(R1antTNF)の高機能化を目的とした。まず、ファージR1antTNF改変体ライブラリを作製し、アンタゴニスト活性が増強した変異体の探索を試みた結果、R1antTNFの配列は最適化されていた。さらに、体内安定性の向上のため、R1antTNFの3量体構造を一本鎖化したscR1antTNFを創製した結果、TNFR1結合選択性や生物活性を維持したまま、熱安定性が高まった。分岐型40-kDa PEG修飾を施すことで血中半減期も延長した。従って、本高機能化は治療応用に有用であることが示された。
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