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2017 年度 実績報告書

胎盤トランスポータによる抗てんかん薬輸送と胎児リスク低減に向けた多角的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 16K18929
研究機関北海道大学

研究代表者

古堅 彩子  北海道大学, 薬学研究院, 助教 (90767261)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード抗てんかん薬 / 胎盤 / トランスポータ / 新規抗てんかん薬 / ガバペンチン / ラモトリギン / バルプロ酸 / 葉酸
研究実績の概要

妊娠時のてんかん治療では、発作が母児へ及ぼすリスクと、抗てんかん薬による児へのリスクの両方を考慮する必要がある。本研究は、胎盤における抗てんかん薬輸送に寄与するトランスポータを明らかにし、臨床的に考え得る問題点に関して多角的に検討することにより、胎児リスクの低減に繋がる情報を得ることを目的とした。
昨年度までに、各種抗てんかん薬 (ガバペンチン、ラモトリギン、トピラマート、レベチラセタム、バルプロ酸) の胎盤由来細胞における輸送機構について検討を行った。その結果、ガバペンチン、ラモトリギン、およびバルプロ酸の細胞への取り込みにトランスポータが関与する可能性を示した。また、ガバペンチンの輸送にはL-type amino acid transporter 1 (LAT1) が寄与することを示した。さらに、妊娠時に重要な栄養素である葉酸に着目し、抗てんかん薬が葉酸輸送に及ぼす影響について評価した。種々の抗てんかん薬は、胎盤由来細胞における葉酸輸送活性に対して直接的な影響を及ぼさないものの、バルプロ酸の長期的曝露は葉酸輸送量を変動させる可能性を明らかにした。
当該年度は、バルプロ酸の輸送はプロトン依存性を示すものの、予測されるmonocarboxylate transporter (MCT) 1および4 の関与は低いことを示した。寄与する因子の同定には至らなかったため、更なる検討を行う必要がある。また、バルプロ酸曝露による葉酸輸送能の変化には、proton-coupled folate transporter (PCFT) や folate receptor α (FRα) 等の遺伝子発現変動が関与することを明らかにした。
今後も更なる研究を進めるとともに、in vivoの検討やトランスポータ活性変動因子に関する検討を行うことで、抗てんかん薬のリスクの低減に向けた方策の構築に繋げたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Valproic acid transport in the choriocarcinoma placenta cell line JEG-3 proceeds independently of the proton-dependent transporters MCT1 and MCT42018

    • 著者名/発表者名
      Yuri Ishiguro, Ayako Furugen, Katsuya Narumi, Ayako Nishimura, Takeshi Hirano, Masaki Kobayashi, Ken Iseki.
    • 雑誌名

      Drug Metabolism and Pharmacokinetics

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1016/j.dmpk.2018.03.004

    • 査読あり
  • [学会発表] 胎盤細胞への葉酸輸送に及ぼす抗てんかん薬の影響の評価2018

    • 著者名/発表者名
      黒澤 優子, 古堅 彩子, 西村 あや子, 鳴海 克哉, 小林 正紀, 井関 健
    • 学会等名
      日本薬学会 第138年会 (金沢)
  • [学会発表] 母体―胎児間および母体―乳児間の物質輸送に着目した、 中枢神経系用薬の適正使用に向けた研究2017

    • 著者名/発表者名
      古堅 彩子
    • 学会等名
      第1回 薬学会北海道支部主催 若手シンポジウム (札幌)
  • [学会発表] Involvement of L-type amino acid transporter 1 in the transport of gabapentin into human placental choriocarcinoma cells2017

    • 著者名/発表者名
      Ayako Furugen, Yuri Ishiguro, Masaki Kobayashi, Katsuya Narumi, Ayako Nishimura, Ken Iseki.
    • 学会等名
      2017 紫禁城国際薬剤師フォーラム (北京)
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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