研究課題
本年度は主にShatiKOマウスを用いた行動実験を行った。WTとShati群における行動量を60分間測定したところ、雌性・雄性いずれにおいても自発運動量が有意に増加した。次にShati KO 群の社会性行動の変化を検討するために、three chamber social interaction test を行った。両群において、新規物体へのアプローチ時間は、空のチャンバーに比べて雌雄マウスとも有意に増加した。次に、別の新規物質の入ったワイヤーケージとストレンジャーマウスの入ったワイヤーケージを使って実験を行ったところ、WTでは、ストレンジャーマウスにアプローチした時間が有意に増加したが、Shati KOではその増加は確認されなかった。本結果は雌性および雄性いずれのマウスでも観察された。不安様行動を示すかどうかを検討するため、elevated plus-maze test を行ったところ、雌性・雄性いずれにおいてもShati KO群は抗不安作用が確認された。WT とShati KO 群における、Y-maze testによる自発的交替行動を測定したところ。雄性のマウスでは両群間に著明な変化は観察されなかったが、雌性のShati KO 群の交替行動率はWT群と比較して有意に低下していた。Novel object recognition testを用いてWT およびShati KO 群の記憶・認知能力を比較したところ、雄性のWTとShati KO の両群の雄性マウスでは、トレーニング (10分間) から24時間後のトライアル (10分間) では、新規物質に対するアプローチ時間がでは有意に増加した。一方、雌性のWTでは新規物質に対するアプローチ時間が有意に増加したがShati KOでは、新規物質に対するアプローチ時間がWTマウスに比べて有意に低下した。
2: おおむね順調に進展している
計画通り進行しているが、骨形態解析はサンプル数の不足により再度の解析が必要である。
引き続き当初の計画通り遂行する予定である。認知機能を検討する行動実験にのみ雌雄差が確認されたので、その解明のため電気生理学実験や免疫染色などを行い詳細な解析を行う予定である。
当初の計画では回転式ミクロトーム・LeicaRM2235を購入する予定であったが、交付金の削減により購入が不可となった。そのため骨切片を自身で作成する予定であったものが、受託研究に依頼したため経費が掛かったことによるサンプル数の不足となった。
次年度予算を追加して骨切片の解析受託をサンプル数を追加する予定である。
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PLoS One.
巻: 12 ページ: e0174196
10.1371/journal.pone.0174196
巻: 11 ページ: e0157959.
10.1371/journal.pone.0157959