精神疾患関連因子Shati/Nat8lはうつ病や統合失調との関連性が示唆されている。本研究ではこのShati/Nat8l遺伝子改変(Shati KO)マウスを用いて行動薬理学、および電気生理学的解析を行い認知機能との関連性を検討した。 Shati KOマウスでは野生型(WT)マウスに比べて、認知行動の障害が雌性マウスでのみ確認された。本マウスでの電気生理学検討により雌性マウスではシナプス長期増強(LTP)の減弱が確認された。Shati KOマウスでのこれらの障害は、海馬CA3領域へのアデノ随伴ウイルスを用いたShati/Nat8lの発現増強によりWTマウスと同程度まで回復した。
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