薬物による腎尿細管間質性腎炎は、尿細管間質における炎症を起点として、腎実質の障害とそれに続く腎機能の低下や貧血など全身性の症状を惹起し得る。しかし、その発症機序はほとんど明らかにされておらず、科学的根拠に基づいた予防法及び治療法は確立されていない。そこで本研究では、腎臓外の要因が尿細管間質性腎炎発症に関与しているという概念をもとに、薬物による尿細管間質性腎炎の発現機序解明を目標とした。抗菌薬と腸内細菌叢に注目した解析から、薬物による尿細管間質性腎炎の発症には、腎外の要因が関与することを実証する結果が得られた。また、腎外の要因として、腸内細菌叢の重要性が示唆された。
|