乳がんの罹患者数は,増加の一途をたどり, 2020年までの部位別年齢調整罹患率の予測では第1位である。最も問題となるのは,他のがんと比較して乳がんの好発年齢は若いため子育て世代の患者が多いことである。このような背景から、乳がんの起因を解明することは重要である。本研究課題の成果では、重合開始剤は乳がん細胞に対してエストロゲン様活性を示すが、正常細胞に対してはその作用を有さないことが示唆された。このことより、重合開始剤自身に乳がん発がん作用はなく、すでに存在する乳がん細胞に対して増殖効果を示すことが示唆されたことから、乳がん罹患者は接触を避けるべきである。
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