心房細動罹患者は血栓症のリスクに曝されており,抗凝固療法を必要としている.一方,心房細動患者は生活習慣病を患っていることが多く,これら併存疾患が及ぼす抗凝固作用への影響についてはほとんど不明である.本研究は医療ビッグデータの解析から生活習慣病を合併する心房細動患者における塞栓症および出血などのリスクに対して生活習慣病治療薬が及ぼす軽減効果を明らかにした.さらに,生活習慣病モデルを用いて酸化ストレスおよび血管線維化の抑制がメカニズムである可能性を明らかにした.これらの結果は,生活習慣病治療薬が酸化ストレスの軽減を通して出血や塞栓症のリスクを低下させる新たな可能性を示した.
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