メトトレキサート(MTX)による肺障害に対する葉酸の有用性の評価と経肺投与製剤としての新たな可能性を見出すことを目的として研究を行った。その結果、MTXによって誘発される肺胞上皮細胞の上皮間葉転換(EMT)は、葉酸の共存によって顕著に抑制され、この葉酸の抑制効果には、MTXによるEMT誘発因子の分泌過程の阻害が関与する可能性が示唆された。さらに、ddyマウスにおいて、葉酸の経肺投与によって、MTXが誘発する肺の炎症が減少する傾向が認められた。これらの知見は、MTX誘発性肺障害に対する葉酸の有用性を示すとともに、葉酸の新たな投与形態の可能性を考える上で重要な基礎的情報となるものと考えられる。
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