5-FU系抗癌剤投与により副作用を呈した症例の尿と血液を使用して、ピリミジン代謝異常症の診断を行った。UPLC-MS/MSを用いて尿中のピリミジン代謝物質を定量し、その分析パターンからジハイドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(DPD)欠損症、ジハイドロピリミジナーゼ欠損症、β-ウレイドプロピオナーゼ欠損症を鑑別した。末梢血単核球中DPD酵素活性測定法を確立し、尿中ピリミジン分析で異常を示さなかった症例で、単核球中DPD活性がコントロールの20%未満であるDPD酵素の部分欠損症を診断した。尿中分析と酵素活性測定を組み合わせることにより5-FU副作用例におけるピリミジン分解異常症の診断が可能であった。
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