播種性血管内凝固症候群(DIC)は、全身性炎症を伴う患者で多く見られる疾患である。本研究では、細胞外ヒストン投与により作成したDICモデル動物を用いて、新規治療薬候補物質のスクリーニングを行った。我々は補体-凝固系のクロストークに着目し、抗補体薬がDICを改善するかどうか検討を行った。補体第5因子a(C5a)受容体阻害薬は、細胞外ヒストン投与による肝障害を改善した。コンドロイチン硫酸(CS)は直鎖状の多糖であり、負電荷を持つため細胞外ヒストンと結合する。本研究では、CSと細胞外ヒストンとの相互作用は、DIC発症時の凝固系に影響しないことを明らかにした。
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