Programmed cell death 4 (Pdcd4) は新規がん抑制遺伝子であり、臨床研究において予後の悪い腫瘍でその発現量が減少していることが報告されている。しかし、Pdcd4 が細胞のがん化・悪性化を制御している直接的な標的および詳細な作用機序は明らかになっていない。そこで本研究では、正常細胞および転移能力の低いがん細胞を用いて、その機序を明らかにすることを目的とした。その結果、Pdcd4 が細胞の浸潤能を抑制すること、さらにその標的分子としてMMP-2 および Twist1 を見出した。また、Pdcd4 が翻訳を直接阻害している標的分子として、ΔNp73 遺伝子を同定した。
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