クロロゲン酸(CGA)は、フルーツ、コーヒー等の成分であり、薬物の苦味マスキング物質として用いる場合の安全性の確保が容易であると考えられる。そこで、味覚センサを用いてCGAによる各種薬物の苦味抑制効果を評価し、SPRによりCGAと薬物間の相互作用を評価した。塩基性薬物は酸性薬物と比較してCGAとの結合速度定数kaが大きかった。CGAによる各薬物の味覚センサ応答の抑制率とCGAと薬物のkaの間には有意な相関が認められた。以上より、CGAによる薬物の苦味抑制にはCGAと薬物の相互作用が関与することが示唆された。CGAはとくに塩基性薬物の苦味マスキング剤として有用であると考えられる。
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