抗がん剤における薬効および副作用に影響を与える因子(遺伝的多型など)は、臨床試験間で異なる報告がなされている。本研究ではコンピュータ上での仮想臨床試験を行うことによって、最も大きな影響を与える因子が何であるかの検証を目的とした。仮想臨床試験に必要な抗がん剤の数理モデルは複雑であるため、従来のパラメータ推定法をそのまま適用することは困難である。新規パラメータ推定アルゴリズムを導入することにより、薬物血漿中濃度推移を再現できる数理モデルを構築することに成功した。また仮想臨床試験の結果から、各遺伝子多型が薬効および副作用と有意に関連するという結果が得られる確率を定量的に推定することに成功した。
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