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2018 年度 実施状況報告書

成体期海馬神経幹細胞の起源探索および海馬歯状回顆粒細胞層形成メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 16K18983
研究機関東京医科大学

研究代表者

篠原 広志  東京医科大学, 医学部, 助教 (10455793)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード電気穿孔法 / 海馬歯状回 / ニューロン新生 / 顆粒細胞
研究実績の概要

様々な発生時期の海馬歯状回原基の神経幹細胞を標識する手法を用いて、成体期で維持され続けている神経幹細胞がいつ誕生するかを明らかにする。またこれまで謎であった歯状回の顆粒細胞層の層形成メカニズムの解明も目的としている。これまでに顆粒細胞層形成のパターン解析については、明らかになってきているので、さらにその途中経過として移動経路の解析を行うこととした。神経幹細胞・顆粒細胞の移動経路解析を行い、切片の免疫組織化学によって、生後のステージ別での移動経路についてのパターンが得られた。具体的には、E14で子宮内電気穿孔法を行い、E18, P0, P2での標識細胞の分布を調べた。その結果、軟膜に沿って移動する細胞や海馬溝へと向かいその後沿って移動するような移動経路が確認された。またこれらどちらにも属さない新たな移動経路についても認められたので、さらに細分化して報告できるように研究を進めた。
また顆粒細胞サブタイプについての研究としては、顆粒細胞へと分化した細胞のなかにTbr2のプロモータが活性化する細胞と活性化しない細胞が存在することがわかっているので、Tbr2に注目し、顆粒細胞分化初期であるE14に子宮内電気穿孔法によってPax6やTbr2の過剰発現実験および機能欠失実験を行うことで顆粒細胞形成における分子レベル解析を試みた。
細胞の分布位置や免疫組織化学による細胞の性質を調べることによって、転写因子の制御や未分化性維持およびニューロン分化の機構の理解が進んだ。
さらに海馬神経幹細胞・顆粒細胞の移動経路解析を行い、それぞれの細胞が海馬発生過程においてどのように移動するかについて調べ、その移動パターンについて興味深いデータが現在までに得られた。また顆粒細胞層形成のパターン解析については、これまで先行研究で報告された形成過程と異なる新たな移動パターンについても見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験環境も整っており、問題なく進んでいる。

今後の研究の推進方策

研究計画に記したタイムラプス観察や移植実験については、まだ行ってはいないが、その他の実験で得られた成果で論文としてまとめられそうであれば、行わなず他のアプローチによって進める。しかし必要であると判断した場合には、実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

予定していた額より、消耗品等への使用額が少なかったために当該助成金が生じた。
研究遂行のための動物購入費およびプラスチック製品やオリゴ作製費、シークエンス解析費用として充当予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] The role of Pax6 in brain development and its impact on pathogenesis of autism spectrum disorder2019

    • 著者名/発表者名
      Takako Kikkawa、Cristine R. Casingal、Seung Hee Chun、Hiroshi Shinohara、Kotaro Hiraoka、 Noriko Osumi
    • 雑誌名

      Brain Research

      巻: 1075 ページ: 95-103

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.brainres.2018.02.041

    • 査読あり
  • [学会発表] Gfap-GFPマウスを用いた発生過程における海馬歯状回形成細胞の移動解析2018

    • 著者名/発表者名
      篠原 広志、石 龍徳
    • 学会等名
      第41回 日本神経科学大会
  • [学会発表] Two distinctive dorsal and ventral pathways form dentate granule cell layer2018

    • 著者名/発表者名
      篠原 広志、石 龍徳
    • 学会等名
      第124回 日本解剖学会

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公開日: 2019-12-27  

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