坐骨神経切除後のマウスのヒラメ筋において、筋小胞体カルシウムATPase(SERCA)の機能を抑制するサルコリピンおよびホスホランバンが顕著に増加することを確認した。一方、長趾伸筋ではホスホランバンの増加は確認できたものの、その程度はヒラメ筋に比べて軽微であり、サルコリピンの増加は確認できなかった。また、ヒラメ筋ではSERCA2が軽微に増加したのに対し、長趾伸筋ではSERCA1が減少した。さらに、上記の変化は筋湿重量の減少と並行して確認された。これらの結果から、両筋におけるSERCAを介した細胞質から筋小胞体へのカルシウムイオンの取り込み能は筋萎縮の進行とともに低下したことを示唆している。
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