研究課題
本研究は、アミノ酸トランスポーターを介したmTOR (mechanistic target of rapamycin) 活性化機構の全容解明に向け、細胞膜に局在するアミノ酸トランスポーターが細胞内に取り込んだアミノ酸を認識し、その情報をmTORに伝達するために必要な因子の探索、およびその分子の機能解析を行うことを目的とする。前年度は、細胞膜のみならずリソソーム膜表層にも局在するアミノ酸トランスポーターLAT1と同じファミリーに属し、その生体内での役割や機能が明らかになっていないトランスポーターに着目した研究を行い、このトランスポーターの局在を確認することに成功した。アミノ酸によるmTORの活性化はリソソーム表層で起こり、LAT1はその活性化に強く関与しているとされている。そこで、今年度は引き続きLAT1と同じファミリーに属する機能未知のアミノ酸トランスポーターに着目し、その機能解明に向けて研究を進めた。前年度にこのトランスポーターの相互作用因子を決定するための可溶化条件を決定したが、共免疫沈降後の試料を分析した結果、用いた界面活性剤が質量分析計による測定に影響を及ぼすことが明らかとなった。そこで、このトランスポーターの可溶化条件の再検討を行い、質量分析に影響の少ない可溶化条件を決定した。その後、再度質量分析による相互作用因子の解析を行い、いくつかの候補因子を見出した。現在は、細胞株を用いてこれらの候補因子をトランスポーターと共発現させ、その相互作用因子がトランスポーターの機能に及ぼす影響などを解析中である。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 4件)
Journal of Pharmacological Sciences
巻: 139 ページ: 215~222
10.1016/j.jphs.2019.01.012