研究課題
PKCgammaによるCysteine string protein alpha (CSPalpha)のSerine 10, 34のリン酸化がドパミン神経終末でのHSP70シャペロン活性促進、神経細胞死防止に必要であることを証明した。ドパミン神経ではPKCgammaがCSPalphaの10番目と34番目のセリン(Ser)残基(Ser10/34)をリン酸化し、HSP70との結合が促進され、SNAP25へのシャペロン活性が上昇し、ドパミン神経終末を保護している。また、上記の細胞レベルでのことが実際にマウスの線条体においても同様に起こっていることも証明した。これらの結果はCSPalphaのSer10, 34のリン酸欠損変異体はHSP70との結合が低下(シャペロン活性が低下)し、リン酸化模倣変異体はHSP70との結合が上昇(シャペロン活性が上昇)することを意味する。これらの成果を応用すれば、神経変性疾患で初期に障害される神経終末をCSPalphaのリン酸化を通じてHSP70活性を促進することで防御することができると考えられる。現在、CSPalphaのSer34に対する特異的リン酸化抗体を作製中であり、実際にこれらのリン酸化がマウスにおいても認められることを確認する予定である。マウスレベルでのリン酸化を確認後、CSPalpha非リン酸化変異体を持つマウスを作製、解析し、パーキンソン病の新規治療法開発を行う予定である。また、すでにマウスの線条体で同定していたリン酸化基質候補であるMADD/DENNがPKCのリン酸化基質であることを同定した。
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