本研究では、転写因子Bach2とIRF4によるメモリーB細胞維持機構の解明を試みた。Bach2はメモリーB細胞を維持し形質細胞分化を抑制するが、Bach2欠損マウス脾臓B細胞ではIRF4タンパク質の過剰蓄積が生じていた。高IRF4タンパク質レベルは形質細胞分化を促進するため、Bach2によるIRF4タンパク質分解制御機構が存在すると推測した。そこで、IRF4複合体精製によるタンパク質翻訳後修飾解析、さらにBach2直接標的遺伝子の同定を行った。これらの解析結果から、Bach2依存的なIRF4タンパク質制御機構がメモリーB細胞維持と形質細胞分化の運命決定に重要である可能性が示唆された。
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