細胞は特定のストレス刺激に応答してストレス顆粒と呼ばれる一過性の構造体を形成し、ストレス存在下での生存を図る。本研究では低分子化合物ライブラリーを用いて、ストレス顆粒形成を制御する新規分子の探索を行い、HeLa細胞においてストレス顆粒形成を抑制する三種類の化合物を同定した。また、これらの化合物によるストレス顆粒形成抑制が、細胞の抗がん剤感受性を高めることを明らかにした。 一方、皮膚HaCaT細胞を老化させるとストレス顆粒形成能が低下することを見出した。さらに、HaCaT細胞においてストレス顆粒形成を促進する化合物も数種類同定した。今後、これらの化合物による皮膚細胞の細胞老化への影響を検証する。
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