研究課題
研究代表者らの検討によりGLO1プロモーター領域内のホモポリマー配列に少なくとも8種類の遺伝子多型を新しく見出し、また同時に、個人や患者、細胞群ごとに多く認められる遺伝子多型が異なることも明らかにした。ホモポリマー遺伝子多型による転写の違いを解析した結果、他の遺伝子多型に比べ約100倍の転写活性を持つ1つの遺伝子多型が見出された。さらに、転写活性が高い1つの遺伝子多型(以下当該遺伝子多型)に着目した結果、当該遺伝子多型の存在とGLO1酵素活性には正の相関(R2=0.666)があることが分かった。当該遺伝子多型に特異的に結合するヒストンを同定し、GLO1遺伝子の転写発現調節機構にエピゲノム調節が鍵を握ることも明らかにした。新たに同定したヒストンとその修飾に焦点を当てGLO1遺伝子転写発現調節機構の全貌解明を試みた。その結果、GLO1遺伝子多型特異的なエピジェネティックな変化を新たに見出すことに成功した。このエピジェネティックな変化が、GLO1の転写亢進に関与していることも明らかとなった。さらに、293T細胞を高血糖条件下(グルコース4.5 g/L)で培養した結果、当該遺伝子多型を有する細胞の割合が増加した。また、293T細胞を低酸素(2% O2)で培養したところ、当該遺伝子多型の割合が変化することが明らかとなった。これらの結果より、細胞は当該遺伝子多型を生み出すことでGLO1発現量を調節して、細胞外環境に適応していると考えられる。
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