研究代表者が初めて見出したGlyoxalase 1 (GLO1)のプロモーター領域内の複数の遺伝子多型の中に、ヒトGLO1の転写活性を著しく亢進させる遺伝子多型が存在していた。この遺伝子多型の転写調節機構を解明すると、エピジェネティックな変化が関与していた。また、当該遺伝子多型と1型糖尿病患者の糖尿病血管合併症の発症進展の程度には相関があることも明らかとなり、当該遺伝子多型は糖尿病合併症のリスク予測因子や予防・治療の新規ターゲットになりうる。また、当該遺伝子多型の出現は環境因子に影響を受けることも初めて明らかとなった。他の遺伝子にも同様な調節機構が働いているのかどうか、今後の研究に期待したい。
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