ミトコンドリア呼吸制御に関わるSARM1のリン酸化制御機構について解析を行った。SARM1はパーキンソン病様症状を誘発するロテノンやパラコート刺激でリン酸化をうけた。リン酸化酵素はJNKであり、SARM1のリン酸化部位はSer548であった。SARM1はNADを分解する酵素活性を有しており、SARM1の活性化はNADの分解を通じてミトコンドリアのATP産生を抑制した。SARM1のNAD分解活性はSer548のAla変異によって減弱した。パーキンソン病患者由来の神経細胞ではSARM1のリン酸化レベルが健常者由来の神経細胞よりも高く、疾患の進行にSARM1の活性化が関与する可能性が示唆された。
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