研究課題/領域番号 |
16K19038
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
前川 大志 愛媛大学, 医学系研究科, 助教(特定教員) (10771917)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 血管内皮細胞 / 血管新生 / CUL3 / ユビキチンE3リガーゼ / 細胞内膜輸送 |
研究実績の概要 |
血管新生は癌細胞の増殖や転移、糖尿病性網膜症、胎盤の形成といった病理学的及び、生理学的に極めて重要な生命現象である。従って、血管新生の分子基盤を詳細に解析することは、基礎医学研究だけでなく、将来的な医薬品開発標的の導出という意味でも、非常に重要である。本研究においては、血管新生を生に制御する因子として知られているユビキチンE3リガーゼ足場タンパク質CUL3による血管新生制御の分子機構を血管内皮細胞を用いて、細胞内膜輸送を軸に解析を進めた。その結果、CUL3の発現抑制によって、細胞全体におけるタンパク質の発現量の変化はないものの、細胞内局在に異常を示し、細胞内小胞に異常に蓄積してしまう複数の膜タンパク質の同定に成功した。重要な事として、これらの膜タンパク質は全て血管新生に必須な分子群であった。さらに、当該膜タンパク質が乗っている細胞内膜輸送経路を解明し、当該膜輸送経路がCUL3の発現抑制により阻害される事も見出した。次に、CUL3のアダブター分子群であるBTBPファミリー (183種類)のsiRNAスクリーニングを血管内皮細胞に対して進めた結果、CUL3と同様の表現型を示すBTBPを複数分子同定した。今後は、各BTBPによってUb化を受ける基質タンパク質を質量分析法及び、アルファスクリーンシステムによって同定し、当該基質タンパク質の血管内皮細胞における細胞内膜輸送への寄与を詳細に検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度においては、血管内皮細胞におけるCUL3依存的に制御を受ける細胞内膜輸送経路及び、積荷分子を複数同定する事に成功した。また、siRNAスクリーニングを用いて、当該輸送経路において機能していると推定される複数のBTBPも見出した。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度においては、質量分析法やアルファスクリーンを用いて、平成28年度に同定したBTBP依存的にUb化される基質タンパク質の同定及び、その血管新生における機能を解析する。
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