• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

新規オートファジー制御因子Rufy4の機能と免疫応答における意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K19043
研究機関大阪大学

研究代表者

寺脇 正剛  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60437217)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードオートファジー / 免疫応答制御 / 炎症
研究実績の概要

当該年度では免疫系特異的なオートファジー制御分子であるRufy4の結合分子の検索と、遺伝子編集によって作製したノックアウトマウスの解析を行った。プロテオミクス解析により、Rufy4の機能的ドメインの一つであるN末端側のRUNドメイン特異的に結合する分子が複数認められた。現在、質量分析による候補タンパクの同定を進めており、Rufy4によるオートファジー活性化機構の分子メカニズムの解明を引き続き進める。ノックアウトマウス由来の樹状細胞ではIL-4によるRufy4タンパクの発現が消失しており、IL-4依存的なオートファジーの活性化も認められなかった。これらのデータはIL-4による樹状細胞のオートファジー亢進がin vivoにおいてもRufy4遺伝子依存的に起きていることを明確に裏付けていると同時に、遺伝子編集によって作製したマウスが実際にRufy4の機能的ノックアウトマウスであることが確認された。これまでの培養細胞を用いた実験では、Rufy4にはインフラマソームを介した炎症応答の抑制機能があることが予測されている。そこで、このノックアウトマウスにおいて、LPSの気道曝露による気管支炎モデルを作製したところ、野生型のマウスと比較しノックアウトマウスでは炎症像の悪化が認められた。このことからRufy4が感染性の炎症応答の抑制に寄与していることが示唆される。今後は他の炎症疾患モデルにおいても検討を加えるとともに、Rufy4の炎症抑制機能がオートファジー機構に依存するものであるか、また実際のヒトにおける疾患性疾患との相関があるかについても調べる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当研究の目的は、Rufy4がオートファジーを活性化させる分子機構の解明と、生体内特に免疫系における生理的役割の解明という2点に大別される。いずれも計画書に記載した通り、初年度ではRufy4結合候補分子の同定、およびノックアウトマウスの作出と予測された表現型の確認が取れ、期待された通りの展開となっている。

今後の研究の推進方策

プロテオミクス解析により同定されたRufy4結合分子のそれぞれについても遺伝的手法により解析を加え、Rufy4との機能相関やオートファジー機構そのものへの寄与についても明らかにする。これらの知見から現在まだ詳細が明らかとなっていないオートファジーにおける隔離膜の伸長制御機構についても迫る予定である。ノックアウトマウスの解析では現状炎症応答におけるRufy4の機能解析を行っているが、細胞内寄生細菌に対する防御機構についても感染モデルを用いて検討する。以上のように2年目も予定通りに計画を進め、論文最終目標の達成はもちろん、得られた知見から新たな研究の展開を目指す。

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi