睡眠時無呼吸症 (OSA) は、低酸素を繰り返す間歇的低酸素 (IH) を特徴とし、心血管病の危険因子である。我々は本研究において、IHにより血管の肥厚に関わるエピレグリン (ER) が増加すること、またその増加には炎症に関わるインターロイキン (IL)-6が関与することを発見した。ERはIL-6による炎症増幅回路の因子であることが近年報告されていることから、IHによるERとIL-6の増加は心血管病だけでなく様々な疾病の発症・進展に関与する可能性がある。今後、IHに対するより詳細な細胞応答メカニズムの解明によりOSAにおける様々な病態に対して新たな予防・治療の方法が確立されるものと期待される。
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