本研究では、がん免疫を抑制することでがんの進展を促進すmyeloid-derived suppressior cell (MDSC)が、 CDKインヒビターであるp16及びp21を発現していることを見出した。がん抑制因子として知られるp16及びp21が、生体内では以下のような機構でがんの進展を促進する。MDSCのサブタイプの1つであるMo-MDSCにおいてp16、p21がケモカインレセプターCX3CR1の発現を亢進し、腫瘍部にMo-MDSCが集積する事でがん免疫を抑制する。また、抗がん剤として開発が進められているCDK阻害薬の中には、がんの進展を促進してしまう可能性がある事を示した。
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