研究課題/領域番号 |
16K19066
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
玉田 紘太 国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員 (10550957)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 15q11-13 / Prader-Willi syndrome / Genome Imprinting / CRISPR/Cas9 |
研究実績の概要 |
ゲノムインプリンティングは両親の片方の親から受け継いだ遺伝子のみが発現する遺伝子発現制御である。ヒト染色体15q11-13(PWS/AS領域)では5つの父性由来染色体発現遺伝子と1つの母性由来発現遺伝子が存在し、全てインプリンティングセンター(IC)による制御を受けている。この遺伝子群の中で、父性由来発現遺伝子群の欠損によりプラダーウィリー症候群を引き起こすことが知られている。本研究ではPWS/AS領域におけるインプリンティングを受けるSnrpn遺伝子の発現を蛍光タンパクをドナーとし、CRISPR/Cas9法により生細胞内にて可視化し、インプリンティング確立に必要な因子、そのメカニズム、また不活性化アリルの再活性化因子を同定することを目的とする。本年度は以下の3点について実施した。 1. guide RNA の作製と評価、およびドナーベクターの構築 2. 受精卵へのインジェクション 3. KIマウスの選別 核内および細胞質へのインジェクション、またドナーベクターの量など様々な条件で計3回のインジェクションを行ったが、ランダムインテグレーションのマウスが数匹取れたのみで、正確にKIされたマウスを作製することができなかった。CRISPR/Cas9法を用いたKI動物の作製方法は現在も様々報告されてきていることから、まだまだ安定的な方法とは言えない。現在、昨年度報告されたPITCh法、およびsingle strand donorを用いてKI動物の作製を試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
受精卵へのインジェクションによるKIマウスの作製については、当初の予想を超えて困難であった。代替案であるES細胞への導入については予期せぬ培養のトラブルがあり、遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、昨年度報告されたPITCh法、およびdouble strand donorではなく、single strand donorを用いてKI動物の作製を試みている。 またこれと並行して急ぎES細胞への導入を行う。
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