ヒト染色体15q11-13領域の重複が自閉症のリスクとなることが報告されていることから、その遺伝子発現様式および機能を解明することが重要である。本研究では本領域におけるインプリンティング遺伝子の発現制御機構、およびその機能を解明することを目的とした。発現制御機構の解明としてKI動物が作製できずに終わった。しかし、機能解析について父性由来発現遺伝子を全てスクリーニングしたところ、Ndn遺伝子により自閉症様の行動学的異常のみならず、大脳皮質の興奮/抑制の不均衡、シナプスの異常が引き起こされることを見出し、Ndn遺伝子が自閉症のリスクとなることを新たに見いだした。
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