研究課題
若手研究(B)
癌微小環境の中で特に間質成分の多寡に着目し、胃の充実型低分化腺癌を髄様癌と非髄様癌に分けると、髄様癌は、非髄様癌と比べて、リンパ節転移や脈管侵襲が有意に少なく、無病生存率が良好な傾向を示した。充実型低分化腺癌では、癌微小環境のうち間質の多寡が臨床病理学的因子や予後に影響を与える可能性が示唆された。食道癌細胞株を用いて、時計遺伝子DECの発現の役割を検討し、DEC2がTE-11に対して抗アポトーシス作用を示すことを明らかにした。
人体病理学(特に消化器、唾液腺)
本研究では、胃や食道などの消化器癌における癌微小環境や、時計遺伝子発現の役割の一部を明らかにした。消化器癌ではDEC2を抑制することでアポトーシスが促進されるため、DEC2が治療標的になりうることが示唆された。これらの研究成果は、消化器癌の新たな治療戦略の構築に寄与するものと考えられる。