正常中皮細胞や悪性中皮腫細胞の膜上に6-硫酸化シアリルラクトサミンという糖鎖が発現していることを、免疫組織化学・高速液体クロマトグラフィー・質量分析法で突き止めた。様々な亜型の悪性中皮腫でも発現していることから、中皮細胞に特異的に発現するマーカーは病理診断において非常に有用であり、診断応用が期待される。 また、この糖鎖はマウスの実験によって、中皮細胞内に存在するKSGal6ST・GlcNAc6ST-1・GlcNAc6ST-2という酵素によって生合成されていると考えられた。これは硫酸化糖鎖の生体分布に関する糖鎖生物学的な新知見である。
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