• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

カスタムアレイを利用した脱分化型脂肪肉腫の進展における分子生物学的機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K19079
研究機関名古屋大学

研究代表者

山下 享子  名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (50754975)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード脱分化型脂肪肉腫 / カスタムアレイ
研究実績の概要

名古屋大学病院で切除され、なんらかの脂肪肉腫と診断されている病変について、過去15年分にわたってプレパラートを見直し、さらにFISHや免疫染色も用いて、高分化型脂肪肉腫および脱分化型脂肪肉腫の症例を抽出した。診断においては、高分化型成分の確認と、MDM2の遺伝子増幅および発現増加を指標とした。また比較的壊死が少なく、比較的high gradeな部分を含む代表切片において、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)標本を収集した。それを用いて、炎症細胞浸潤の程度や細胞異型度についてスコアリングを行い、また主として免疫組織化学により、MDM2遺伝子発現の程度や平滑筋・横紋筋などへの分化傾向(heterologous differentiation)について調査した。さらにこれらの症例について臨床情報を収集し、予後調査を行った。特に骨形成を伴う脱分化型脂肪肉腫症例については、他施設の症例も借用し、FISH法により骨細胞や骨芽細胞におけるMDM2増幅の有無についても詳細に検討を行った。カスタムアレイについては、12q13-15, 1p32, 1q21-q22, 6q23, 11q23-24, 19q13など、増幅・欠失の知られる領域に高密度にプローブを配したカスタムCGHマイクロアレイを設計し、原発性の脱分化型脂肪肉腫症例においてアレイを3回実施した。詳細な解析は今後行う予定であるが、いずれの症例においても12q13-15のMDM2遺伝子を含む領域で増幅が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

基本的に当初の計画通りである。

今後の研究の推進方策

さらに症例を追加してアレイを実施し、解析を進める。転移した症例としなかった症例、予後不良であった症例と予後良好であった症例、組織学的にhigh gradeな症例とlow gradeな症例、などいくつかの群に分け、その群別と相関する遺伝子増幅・欠失について調べる。同時に臨床病理学的所見、とくに筋や骨・軟骨などへのheterologous differentiationの有無と予後との関連、およびそれと相関する遺伝子増幅・欠失についても調査する。

次年度使用額が生じた理由

アメリカの学会(USCAP)に出席するための費用も含めて追加請求したが、結局この費用は別の経費から出すことになったので、次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

カスタムアレイやアレイ解析のための試薬の購入、学会出席のための費用などに使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 14.Clinicopathological and Molecular Features of Dedifferentiated Liposarcoma with Ossification: A Comparative Study with Dedifferentiated Liposarcoma without Ossification and Extraskeletal Osteosarcoma2017

    • 著者名/発表者名
      Kyoko Yamashita, Kenichi Kohashi, Yuichi Yamada, Yoshinao Oda, Shinya Toyokuni.
    • 学会等名
      United States and Canadian Academy of Pathology: 2017 Annual Meeting 2017.3.7
    • 発表場所
      San Antonio (USA)
    • 年月日
      2017-03-07
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi