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2017 年度 実施状況報告書

カスタムアレイを利用した脱分化型脂肪肉腫の進展における分子生物学的機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K19079
研究機関名古屋大学

研究代表者

山下 享子  名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (50754975)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード脱分化型脂肪肉腫 / カスタムアレイ
研究実績の概要

2000年以降に名古屋大学医学部附属病院で切除された脱分化型脂肪肉腫の症例のなかで、術後3年以上の予後が判明している症例を中心にプレパラートを見直し、腫瘍細胞間に高度の炎症細胞浸潤がなく、評価可能と判断した症例について、アレイCGHを実施した。 アレイCGHは、前年度に作成したカスタムアレイを使用して、まず30箇所(28病変、25症例)について実施した。解析では、まず原発巣の代表部位について、amplification (log2 ratio>2)の見られた遺伝子を各症例ごとに抽出し、遠隔転移をきたし予後不良であった6症例と術後5年以上再発・転移のなかった6症例を比較して、amplificationの見られる頻度の違いが大きい(頻度の差が20%を越える or 頻度の比が2倍を越える)ものを抽出した。また同様の方法で、遠隔転移のみられた7症例のうち、原発巣、転移巣ともにアレイでの評価が可能であった4症例について、原発巣、転移巣の比較を行った。さらにひとつの病変内で組織像の異なる成分がみられた症例について、同様の方法を用いて、各成分間の比較を行った。これらの検討の結果、いくつかの遺伝子が抽出できたが、そのほとんどが全体に増幅率の高い12番染色体長腕に存在する遺伝子であり、カットオフ値(log2 ratio>2)を調整する必要性がうかがわれた。また症例数を増やす必要があり、2007年から2011年までに九州大学病院で切除された脱分化型脂肪肉腫の症例についても解析する予定とし、症例の抽出を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

基本的に当初の計画通りである。

今後の研究の推進方策

ひとつの病変内で組織像の異なる成分がみられた症例における、成分間の比較のため、さらにアレイで解析する箇所を増やす。この検討は、脱分化型脂肪肉腫のprogression過程を考察するうえで重要であるとともに、高分化型とすべきか脱分化型とすべきか診断に迷う場合に、判断材料となりうると考える。同様の目的のため、高分化型脂肪肉腫の症例も検討に加える。九州大学病院の症例についても、同様の検討を行う。
解析方法については、amplification (log2 ratio>2)のカットオフ値の調整のほか、lossやdeletionについても検討する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Primary extraskeletal osteosarcoma: a clinicopathological study of 18 cases focusing on MDM2 amplification status2017

    • 著者名/発表者名
      Yamashita Kyoko、Kohashi Kenichi、Yamada Yuichi、Nishida Yoshihiro、Urakawa Hiroshi、Oda Yoshinao、Toyokuni Shinya
    • 雑誌名

      Human Pathology

      巻: 63 ページ: 63~69

    • DOI

      10.1016/j.humpath.2017.02.007

    • 査読あり
  • [学会発表] 脱分化型脂肪肉腫における組織所見と予後との関連2017

    • 著者名/発表者名
      佐々木和磨、山下享子、豊國伸哉
    • 学会等名
      第106回日本病理学会総会

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公開日: 2018-12-17  

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