研究課題/領域番号 |
16K19081
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤倉 航平 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (50773751)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | IPNB / エクソーム解析 / 遺伝子変異 / 胆管内乳頭状腫瘍 / 免疫形質 / 予後 / 胆管癌 |
研究実績の概要 |
初年度は、胆管内乳頭状腫瘍Intraductal papillary neoplasm of the bile duct(以下、IPNB)のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織を用いてエクソーム解析を行った。IPNB 20症例のうち十分な組織が残っている9症例を選択し、腫瘍組織と正常組織を平行して解析した。腫瘍組織に関しては、少なくとも90%以上が腫瘍で占められる領域のみを選別した。DNA抽出、クオリティーチェック、DNAライブラリー作成を施行した後、最終的にIllumina Hiseqを用いてシークエンス解読を行った。体細胞変異のみを同定するために、腫瘍の遺伝子変異から正常の遺伝子多型を引き算し、遺伝子変異を抽出するとともに、coverageなどの情報も算出し、並列してエクセルデータとしてまとめた。さらに同定された変異を同義、非同義、欠損、終止コドン、Splice site等に分類した。 各サンプルに関してエクソーム解析が成功したため、来年度からは腫瘍発生にかかわる遺伝子変異を機能別に分類し、腫瘍発生メカニズムを推定する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に記載した予定どおりに、研究が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に沿って研究を進める。具体的には本年度行ったIPNBのエクソーム解析を基に腫瘍発生にかかわる遺伝子変異を機能別に分類し、腫瘍発生メカニズムを推定する。原因遺伝子が、どのようなシグナル伝達経路に位置しているかを、既知のシグナルパスウエイを参考に解析する。さらに、遺伝子変異を元に、IPNBの新規診断マーカーの可能性を探索する。
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次年度使用額が生じた理由 |
DNAライブラリー作成に試行錯誤を要したため、予算使用が次年度に持ち越されたため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
DNAライブラリー作成の完了はわずかに遅滞したものの、実験は計画通り順調に進行しており、次年度において、予算を使用する予定である。
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