IPNBは胆管癌より予後の良い胆管上皮性腫瘍であり、膵IPMNの胆管カウンターパートとして提唱された。外科的切除された胆道腫瘍165症例をレビューした結果、IPNBは全胆道腫瘍の5%に見られた。粘液形質とサイトケラチンの発現パターンをクラスター分析した結果、IPNBは胆管癌とは異なるクラスターに大別された。また、IPNBの予後は胆管癌と比較して良好であった。胆道腫瘍では稀なCTNNB1とAPCの遺伝子変異がIPNBでは43%と高頻度で蓄積しており、免疫染色の結果、β-cateninが細胞質あるいは核内に集積していることが明らかとなった。IPNBは胆管癌とは臨床病理学的、遺伝学的に異なっている。
|