破骨細胞分化誘導因子RANKLに対する抗体製剤(デノスマブ)が骨巨細胞腫の治療薬として使われるようになったが、治療後の特異な組織像および腫瘍細胞の本体に関して、これまでの理解は不十分であった。近年明らかとなった骨巨細胞腫特異的な遺伝子異常を各種骨代謝シグナルと統合的に解析し、組織像および治療効果について考察した。デノスマブ治療後は、全例において巨細胞の消失を含む組織像の劇的な変化がみられた一方で、骨芽細胞マーカーを発現する腫瘍細胞は一貫して豊富にみられた。以上から、骨巨細胞腫における真の腫瘍細胞は骨芽細胞分化能を有しており、デノスマブ治療後の線維骨は腫瘍細胞が形成していることが示された。
|