ケモカインリガンドとレセプターの一つであるCXCL7とCXCR2での発現を検討した。リアルタイムPCRを用いたCXCL7の検討では、腺癌や小細胞癌ではmRNAの発現が認められたが、扁平上皮癌や正常の気道上皮や間質細胞では発現が認められなかった。ヒト肺癌切除検体を用いた免疫染色では低分化腺癌で発現の亢進が認められた。リアルタイムPCRを用いたCXCR2の検討では、扁平上皮癌細胞株でmRNAの発現亢進が認められた。免疫染色では肺癌細胞はCXCR2の発現は弱いか微量であった。癌細胞の発現するCXCL7が悪性化に関わり、癌細胞周囲のCXCR2陽性炎症細胞へ働きかける可能性が示唆された。
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