胃癌における早期遺伝子変化を腺窩上皮過形成ポリープに発生する腺癌により検討した。22例の過形成ポリープのうち高度異型性や乳頭管状腺癌が5例に認められ、いずれもH. pylori陰性・CDX2陰性で、すべての症例にBRAF:V600E変異が認められた。BRAF変異は胃癌ではまれであり、ピロリ菌によりBRAF変異に変化が生じる可能性を考え、ピロリ菌の影響のないBRAF変異陽性A375メラノーマ細胞にCagA遺伝子を導入し38週EGF処理を行った。この結果BRAF:V600Eは検出されたがBRAF阻害剤感受性は消失し、CagAによる新たなドライバー変化が可能性が考えられた。
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