研究実績の概要 |
2018度はSalivary dcut carcinoma(SDC)において、Tyrosine kinase receptor B(TrkB)のリガンドであるBrain-derived neurotrophic factor(BDNF)の発現の再解析を免疫組織化学(IHC)を用いて解析した。2016年度にもBDNFタンパク発現をIHCで行ったが、今年度は抗体クローンを変更して再度行った。染色結果評価は、各症例で染色強度のスコアリングを行った(0,わずかに染色される; 1+ ,軽度に染色される; 2+,中等度に染色される; 3+, 強度に染色される)。各スコアの占める面積の割合を評価し、2+と3+の占める割合が30%を占める症例を陽性とした。その結果、9例が陽性、11例が陰性となった。統計解析を行った結果、多形腺腫から二次的に発生したSDC(ex-PA)と初発からのSDC(de novo)を比較した場合ex-PAの方が有意にBDNF陽性症例が多いことが明らかとなった(p=0.025)。その他、腫瘍サイズやpT因子、転移の有無などには相関性は得られなかった。BDNFはex-PAのSDCかde novoのSDCかの鑑別に有用な可能性がある。 2017年度から継続してSDCのmRNA抽出、cDNA合成を行ってTrkB, BDNF, NT-4のmRNA copy numberの解析も行っている。その結果、TrkBではFLとT1のコピー数の増加が認められた。過去に行ってきたTrkB-IHCの結果との相関関係を解析したが、相関関係はなかった。
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