慢性C型肝炎/肝硬変ではC型肝炎ウイルスを排除(SVR)することが可能になった。ただし、SVR後でも種々の確率で肝発癌がみられ、SVR後の適切な診療アルゴリズムの構築が議論されている。 本研究は、SVR後に肝発癌を認めた53症例を病理学的に解析し、SVR後の発癌リスク予測へ応用するための研究基盤の確立を目的とした。免疫組織化学及び遺伝子解析を進め、(1)SVR後も非腫瘍部肝組織に線維化が残存する症例は発癌のリスクがあり、線維化の残存に類洞壁細胞におけるCD34及びαSMAの発現が寄与している可能性があることを見いだした。また(2)対象から14例のHBV既往感染症例を見いだした。
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