研究課題/領域番号 |
16K19095
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
佐々木 裕哉 久留米大学, 医学部, 助教 (50750725)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 性ホルモン受容体 / 性ホルモン / エストロゲン / エストロゲン受容体 / びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 |
研究実績の概要 |
ホルマリン固定パラフィン包埋切片として得られた患者検体を用いて免疫染色法によるエストロゲンレセプターアルファ(ERa)発現のスクリーニングを行った。その結果、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL) の一部症例にERa陽性細胞を確認した。症例によって、ERaが腫瘍細胞に発現している場合と、微小環境内にある細胞にERaが発現している場合があることを明らかにした。 In vitro の実験としてDLBCL患者由来の培養細胞を用いてERaの機能解析を行った。ESR1(ERa遺伝子)陽性株とESR1陰性株(コントロール)を用いて、ERaアンタゴニストの効果を評価した。その結果、フルベストラント(ERaダウンレギュレーター)はESR1陽性細胞株において濃度依存的に細胞周期停止(G1 arrest)を起こすことを見出した。 これらの結果を2016年10月に神奈川県横浜市で行われた日本血液学会で発表した。臨床病理学的解析の結果やin vitro のデータを追加の上、2017年に論文投稿を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
症例と臨床情報の集積が完了しており、細胞株を用いた実験について機能解析を行うことができたため、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
臨床病理学的解析を行うことで、ERa発現と臨床像の関連を解析する予定である。 ESR1陽性細胞における遺伝子発現にフルベストラントがどのような効果をもたらすのか、マイクロアレイ解析により評価し関連する遺伝子を同定していく予定である。
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