研究課題
若手研究(B)
本研究においては、独自に発見したミトコンドリア分裂因子DRP1の発現抑制による大腸癌細胞のアポトーシス誘導という研究成果を背景とし、DRP1を標的とする癌治療開発へ向けた基礎研究を推進した。その一環として腸管上皮細胞特異的にDRP1を欠損する腸管腫瘍マウスモデル(Apc変異マウス)を作出し、腫瘍形成に対するDRP1欠損 による影響について検討した。その結果、DRP1はApc変異マウスにおける腸管腫瘍形成に必要でないことが分かった。
分子生物学
近年の研究成果により、ミトコンドリア形態の腫瘍制御への関与が明らかになりつつある。しかしながらそれらの知見の多くは癌細胞レベルの解析にとどまっている。本研究は、腸管腫瘍を自然発症するマウスモデルを用い、ミトコンドリア形態による腫瘍制御を個体レベルで検討した点において意義深い。