本研究では、アフリカトリパノソーマ症を引き起こすT. bruceiのミトコンドリアに局在し、ATPと酢酸生産の他にCoAの再利用に直接関わる、Acetate:succinate CoA Transferase / Succinyl-CoA synthase (ASCT/SCS)サイクルの大量調整、in vitro 再構成、生化学的解析、結晶構造解析と阻害剤探索を行った。T. bruceiのASCT/SCSサイクルは、酸化的リン酸化のATP合成酵素より高いATP生産能を保有(Kcat=202 s-1)する。また、ASCTは4量体であり、SCOTとは構造も機能も異なる事を世界で初めて明らかにした。
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