X線結晶構造解析ならびに生化学的解析を通じ、ピロリ菌病原因子CagAが引き起こすヒトがんタンパク質SHP2の異常活性化の構造基盤を原子レベルで解明した。タンパク質構造情報に基づきCagA-SHP2相互作用を特異的に遮断する低分子化合物の探索を行った。化合物ライブラリーを用いたスクリーニングの結果、数十の阻害剤候補化合物を取得した。本成果は、CagA-SHP2結合を分子標的とすることによりピロリ菌感染を背景とした胃発がんの予防あるいは早期胃がんの治療のための新たな創薬展開の基盤となることが期待される。
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