ボツリヌス食中毒はボツリヌス神経毒素複合体を経口的に摂取することにより発症する。我々はこれまでに、中毒発症に必須な過程であるにも関わらず不明であった血清型A1型神経毒素複合体の腸管吸収機構を明らかにした。 本研究において、我々は血清型B1型神経毒素複合体がA1型とは異なる機構で腸管から宿主内へ侵入することを発見した。さらにA1型、B1型いずれの神経毒素複合体も腸管上皮直下のsub-epithelial dome (SED)において免疫細胞と共局在していた。これらの結果から、腸管免疫細胞はA1型およびB1型神経毒素の血中への移行に影響しており、ボツリヌス食中毒の発症に関与していることが示唆された。
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