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2017 年度 実施状況報告書

腸管におけるIFNg産生性CD8T細胞の誘導機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K19165
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

田之上 大  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60732972)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードIFNgamma
研究実績の概要

細菌の単離
菌叢解析により検出された細菌の種類に基づき、目的の細菌をある程度想定したうえで培養・単離を行った。培養元のサンプルとして盲腸内容物を用いた。腸管腔内は嫌気性のため多い場合、無酸素条件を維持できる嫌気培養システム(窒素:水素:二酸化炭素=80%:10%:10%)を用いた。mGAM、EG、BBE寒天培地をもちいて3-5日間培養したのち、見た目の形状が異なる200以上のコロニーを釣菌した。それぞれの16SrRNA coding geneの塩基配列をサンガー法によってシーケンスしたところ、26菌株が単離されたことが分かった。26菌株には、Closdridialese、Bacteroidales、Fusobacterium、Acidaminococcalesなどの細菌が含まれていた。
細菌の同定
単離した26細菌株のうち誘導に必要ではないと考えられた5菌株を除いた21菌株をin vitroで培養し、そのミックスを無菌マウスへ投与した。その後ビニルアイソレータで維持したのち、4週間後にIFNgamma産生CD8T細胞の誘導能を調べた。その結果、SPFマウスと同レベルのIFNgamma陽性CD8T細胞の誘導が見られた。このことから、単離した21菌株がIFNg産生CD8T細胞を誘導する菌株セットであることが特定された。さらに、21菌株のうちの11菌株をセレクトして無菌マウスに投与した結果、11菌株だけで十分にIFNgamma陽性のCD8T細胞が誘導された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

交付申請書に記載した内容の実験を実施できているため。

今後の研究の推進方策

誘導メカニズムの検証
細菌由来の誘導責任成分を検討するために種々のノックアウトマウスを用いて検討する。たとえば、細菌由来構成分子として、病原体関連分子パターンのレセプターシグナルMyDTrifノックアウトマウスなどを用いる。また、細菌由来の代謝産物として胆汁酸のレセプターであるFXR、TGR5欠損マウス、短鎖脂肪酸認識レセプターであるGPRs欠損マウスを用いる。また、次世代シーケンシングにより同定細菌のゲノム情報を解読し、候補因子を推測する。候補遺伝子のmutant strainを作成し、そのIFNg産生CD8T細胞誘導能を検討する。
宿主側でのイベントを検討するため、抗原特異性や樹状細胞の必要性をIRF8、BATF3、FLT3L KOなどのノックア
ウトマウスを用いて検討する。
・腸内感染症への臨床応用
同定細菌による感染症への治療・予防効果を検証する。細菌による腸内感染症としてリステリア感染に対する抵抗性を検討する。また、ウイルス性感染症としてインフルエンザウイルス感染に対する効果も検討する。

次年度使用額が生じた理由

想定よりスムーズに実験が進行したためです。H30度は計画している実験の種類と量が多く、次年度使用額を使用する計画です。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Ectopic colonization of oral bacteria in the intestine drives T(H)1 cell induction and inflammation.2017

    • 著者名/発表者名
      Atarashi K, Suda W, Luo C, Kawaguchi T, Motoo I, Narushima S, Kiguchi Y, Yasuma K, Watanabe E, Tanoue T, Thaiss CA, Sato M, Toyooka K, Said HS, Yamagami H, Rice SA, Gevers D, Johnson RC, Segre JA, Chen K, Kolls JK, Elinav E, Morita H, Xavier RJ, Hattori M, Honda K.
    • 雑誌名

      Science

      巻: 358 ページ: 359-365

    • DOI

      10.1126/science.aan4526

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Helicobacterspecies are potent drivers of colonic T cell responses in homeostasis and inflammation2017

    • 著者名/発表者名
      Chai Jiani N.、Peng Yangqing、Rengarajan Sunaina、Solomon Benjamin D.、Ai Teresa L.、Shen Zeli、Perry Justin S. A.、Knoop Kathryn A.、Tanoue Takeshi、Narushima Seiko、Honda Kenya、Elson Charles O.、Newberry Rodney D.、Stappenbeck Thaddeus S.、Kau Andrew L.、Peterson Daniel A.、Fox James G.、Hsieh Chyi-Song
    • 雑誌名

      Science Immunology

      巻: 2 ページ: e5068

    • DOI

      10.1126/sciimmunol.aal5068

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 腸内フローラとTH17細胞2017

    • 著者名/発表者名
      田之上 大、新 幸二、本田 賢也
    • 雑誌名

      Clinical Neuroscience

      巻: 35 ページ: 1290-1292

    • 国際共著

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公開日: 2021-01-27  

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