研究目的:本研究では、漢方教育の新しい手法として、漢方医学への理解を促進することを目的に実臨床において役立つような漢方臨床推論用シミュレーションカードを開発する。また、その妥当性を検証した上で実際に教育現場で使用し、その教育効果を検討することを目的とする。 研究計画:令和4年度の研究計画はこれまでに開発した漢方医学シミュレーション教育手法が実臨床に貢献できたかを明らかにする。最終年度までに得られた研究結果に基づき、学会発表を行うとともに論文の執筆、投稿を行い、ホームページに内容を公開する。 研究実績:令和4年度は漢方教育の基本的な概念である「気血水」を学ぶツールとして作成した35項目の自記式体質チェックアンケートの精度をアンケート項目から漢方専門医が下した学生の気血水診断を予測するモデルを作成し、その予測モデルの妥当性を計算して、アンケートの内容や精度を検討した。具体的には2017年度から2019年度に、医学部第5学年臨床実習にて東北大学病院漢方内科を選択した学生123名(女性16名)のアンケート結果を集計した。4名の漢方専門医はアンケート結果と他の身体所見から総合的に6種の気血水診断(気虚、血虚、陰虚、気滞、血お、水滞の有無)を下した。集計したアンケート結果を説明変数 としてロジスティック回帰分析を行い、専門医の診断を予測するモデルを作成した。その後、2020年度の25名のアンケート結果を用いて、モデルの外的妥当性の検討を行った。その結果を現在論文にして投稿準備を進めている
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