研究課題/領域番号 |
16K19170
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
春田 淳志 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (70758911)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 専門職連携教育 / 筆記試験 / 観察評価票 / 自己評価票 / 実技試験 |
研究実績の概要 |
専門職連携能力の評価における理論的枠組みや実技評価の位置づけを明らかにし、現場で実行可能な評価方法として筆記試験・観察評価票・自己評価票を開発した。 1.専門職連携能力の評価に関する理論的枠組みの構築:専門職連携能力の評価に関する理論的枠組みや実技試験の位置づけを文献レビューと共同研究者とのディスカッションで明確にした。複数の評価の活用によって評価の妥当性を補完する必要があったため、実際現場の専門職が実施可能な評価方法として2.筆記試験、3.(ICSAに代わる場に依存しない)観察評価票、4.自己評価票の開発を初年度の目的とした。 2.筆記試験:研究者らの研究で明らかになった多職種連携能力(コンピテンシー)の「他職種を理解する」というドメインに準じて筆記試験を作成した。筆記試験は、臨床推論における思考能力を評価するために開発された試験であるScript Concordance Test (SCT)という形式を援用した。10月、12月にパイロットテストを実施した。 3.観察評価票:本研究では多職種連携コンピテンシーの6つのドメインに準じて、多職種が参加するカンファレンスという場を想定し、複数の共同研究者で先行文献を踏まえ、観察可能な行動、個別の専門職の評価可能な行動を踏まえ、観察項目を16項目作成した。この観察評価票について平成28年6月、7月、10月、12月に観察項目の数、内容、評価方法について多面的に意見を聴取した。 4.自己評価票:多職種連携協働の評価ツールAITCSの日本語版の開発:本研究ではチームの多職種連携協働を評価した妥当性が示された数少ない調査票であるAITCS (Assessment of Interprofessional Team Collaboration Scale)の原作版を翻訳し,言語的妥当性を担保した日本語版を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.専門職連携能力の評価に関する理論的枠組みの構築:文献レビューを行い、枠組みの構築はある程度構築され、実技評価の利点欠点を明らかにした。また実現可能性の高い評価方法として、筆記試験、観察評価票、自己評価票の開発を進めることができた。
2.筆記試験 3.観察評価票:それぞれ評価の理論的枠組みを援用し、評価方法が開発され、パイロットスタディを重ねることができた。
4.自己評価票:国際的に活用されている評価票をもとに、言語的妥当性を担保した方法で評価票の日本語版を開発することができた。
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今後の研究の推進方策 |
1.専門職連携能力の評価に関する理論的枠組みの構築:文献レビューを提示し、日本の文脈と照らし合わせながら、実現可能な方法について検討する論文を発表する。 2.筆記試験 3.観察評価票:パイロットスタディで明らかになった点を修正し、Web版の構築を進めるとともに、研究対象集団を増やし、評価のインパクトについても検証していく。 4.自己評価票:ある病院の全職員を対象に開発した日本語版の連携実践の自己評価票を実施し、評価票の妥当性を検証する。 5.実技試験:医学生を対象に、実技試験のパイロットを実施する。
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